6月6日 事件は起こってしまった。
病院の階段で、このままでは人に蹴られて死んでしまうと思い
確保したアゲハのサナギ。それがアゲハ3号だ。
羽化を観察しようと、午前4時30分に起床。
そのとき、事件は、すでに起こっていた。
前夜、アゲハ3号を観察用にセットしておいたのだが、
そこに、アゲハ3号の姿はなかった。
あるのは、サナギのフタの部分になる殻だけだった。
「あ、やってしまった。羽化しちゃったんだ」
そのくらいにしか思っていなかった。
羽化して、部屋を華麗に舞うアゲハの姿を探した。
しかし、アゲハ3号は悲しい姿で発見された。
頭の部分だけ、脱皮して、お尻にサナギの殻を身につけたまま
アゲハ弟のために用意した「仮設みかんの木」をよじ登っていた。
私は、あわててインターネットでアゲハ情報をかき集めた。
どうやら、お尻の部分を固定されていないと、うまく脱皮できず
「羽化不全」をおこしてしまうらしいのだ。
落ちたサナギを羽化させるためには、木工ボンドなどで
お尻の3分の1を固定させればいいとの情報を得た。
しかし、木工ボンドは手元にはないし、あったとしても、乾くのに時間がかかるので
この状況下では、とても間に合いそうにない。
手元には瞬間接着剤があった。試してみた。
割り箸に瞬間接着剤でくっつけようとしたが、くっつかない。
結局、セロテープで固定した。
なんとか、脱皮自体はうまくできた。
しかし、アゲハの美しい羽は広がらなかった。
完璧に羽化不全だ
朝、起きてきた息子とどうしようか相談した。
小学校でもアゲハを飼っているらしく、ときどき羽化不全の
アゲハがでるらしい。
それらを、どうしてあげてるの?と聞くと
花が咲いているところで、逃がしてあげるという
花の蜜を吸わせてあげるというのだ。
息子と相談した結果、アゲハ3号もそうしてあげることにした。
このままでは、いずれ死んでしまう。
せめて、花の蜜を味わいながら、天寿をまっとうして欲しいと思う。
私の力不足だ。すまぬ、アゲハ3号。
残るは、アゲハ兄とアゲハ弟。
こいつらは、なんとか羽化できるように努力しようと思っている。
仇をとってくれ! そして 翔べアゲハ兄弟!
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