【日本人はカブトムシが好き?】
日本人は、桜の花が大好きですよね。4月になるときれいに満開になります。でも、1週間くらいで散ってしまいます。そして、次に桜の花を見ることは1年後ということになります。日本には、四季があり、それだけ1年間という時間の長さは親しみやすいものではないでしょうか?
日本のカブトムシも桜と似ていると思います。日本のカブトムシは「1年1化」の昆虫です。桜と同じように、日本のカブトムシの一生は1年間という時間の流れの中にあるのです。日本人に親しみやすい昆虫である理由のひとつですね。
7月〜9月にかけて産卵された卵(たまご)は、約3週間ほどで孵化(ふか)して幼虫(ようちゅう)となります。その年のうちに「1齢幼虫(初齢幼虫…しょれいようちゅう)→2齢幼虫→3齢幼虫(終齢幼虫…しゅうれいようちゅう)」と脱皮(だっぴ)をくり返して、年を越します。そして、幼虫として約10ヶ月も期間を過ごします。
翌年の6月〜7月にかけて、前蛹(ぜんよう)という状態になって餌を取らずに、蛹室(ようしつ)という自分の体の3倍ほどの大きさの穴をつくり蛹(さなぎ)になります(蛹化…ようか)。約3週間で蛹(さなぎ)の皮を脱ぎ成虫(せいちゅう)>となります(羽化…うか)。羽化しても1週間〜10日ぐらいは体が固まるのをじっと待っているため地上には出てこれません。耐えてるんですね。
成虫として生きることができる期間は、せいぜい1ヶ月〜2ヶ月です。8月になってから採集されたカブトムシでは、長くて生きても1ヶ月くらいでしょう。短いですよね。でも、この間、夏の風物詩のひとつとして、子供たちを楽しませてくれるよきパートナーとなってくれるのです。素晴らしいですね。
人の一生にくらべて、とても短い一生ですが、一生懸命に生きています。カブトムシの一生とくらべて、人間の一生って、どうなのだろう・・・なんて、アナタとお子さまで、人生について語らいの時間をもってみるのもいいのではないでしょうか。